「心は明日、より強くあれ」
昨日、新宿シネマカリテにて『ブリグズビー・ベア』を観てきました。
映画に詳しい訳では無いのですが、映画は好きなので、今回の感想を少し。観てない方で、観る予定の方はネタバレ?してしまうのでお気をつけて(ネタバレしたとしても面白い作品ですよ)。
結論から言いますと、とてもとても面白かったです。
まずタイトルの台詞が突拍子もなくて面白い。食前に「心は明日、より強くあれ」とお祈りして、立ち上がって握手。突拍子がないのだけれども、説得力があります。マーク・ハミルが出ていることで、『スター・ウォーズ』シリーズのオマージュがいくつもあって(砂漠にシェルターのような家とか)小さい頃から全シリーズ観てる私は笑ってしまいました。マーク・ハミルが「強くあれ」と言う度もうジェダイ感すごかったです。説得力ある。
そして主人公を誘拐した偽の両親が作った教育番組内の映像技術。チーーープ。狂気。好き。AC部の映像みたい(AC部も昔のビデオテープや昔の映像技術のオマージュが多いけど)。「ダサいは良い」とされている今にとても合った質感だなあ、と思いました。そりゃ人気も出るし、資金も集まります。
なんとなく私はオウム真理教のアニメを思い出しました。前にニコニコ動画で観たことがあったのですが、犯罪者が作った教育ビデオという点で、ある意味狂気なところ、アフレコや編集が絶妙に素人で下手なところ、そしてそれが笑えてしまうというところ(オウム真理教は笑えないですよ)。劇中でも、ブリグズビーの動画が拡散していく様子がありますが、それに似たものを感じました。
また、映像が人間に与える影響というものもすごくあって、例えば主人公はブリグズビーだけ観て育てられたから、あの人格が作り上げられたのではないかな、と思うと、洗脳に近いような感じがして、映像ってのめり込んでしまうのですよね。私だけかもですが、、。主人公の最初の友達の人格はきっとSF映画によって作り上げられていて、じゃあ今の私の人格や感性はどんな映像によって作り上げられているのかな、と思いました。
小さい頃から観ていたものは、日本のアニメと、少なくともヤン・シュヴァンクマイエル作品とティム・バートン作品、マイケル・ジャクソンのMV達とジム・キャリーの『マスク』は記憶があります。
高校の時のデザインの先生に(美術系の高校でした)この話をしたら「よくそれらを観て、こんなに真っ直ぐに育ったね」と言われたのを覚えています。
ん?ということは人格にはあまり影響がない?
分からなくなりましたね。
話が逸れました。
最終的には敵がいない世界、主人公にとって幸せな世界になります。人によっては「上手くいきすぎだろ!」と思うかもしれないですが、それもチープで良いなと思いました。全肯定、否定のない世界。ハートがウォーミングでキュートでコメディなストーリーです。
新宿での上映は今日までかもなのですが、機会があればぜひ観てほしい作品でした。
以上『ブリグズビー・ベア』の感想でした。
さて、台風も去ったので部屋の掃除をします。
良い一日を。